2007年10月26日金曜日

秋の京都祇園食べ歩き


秋の京都を楽しむため、ふらりと京都の祇園に向かった。地元から車を飛ばして、京都東インターまでは一時間少々のドライブだ。車窓から見える木々はまだまだ紅葉には程遠いがそれでも秋はすぐそこに来ている。

今回訪れたお店は祇園八坂神社のすぐそばにある「汁る椀豆寅 京都店」 名物である豆すしを楽しむためにやってきた。実は京都に着く直前まで他にも何件かのお店が候補に挙がっていたのだが、愛妻の一言でこのお店に決定。結果として最高のランチタイムを過ごすことができた。


祇園の瀟洒(しょうしゃ)なたたずまいにいささか気おされながら、格式ある路地を進むとひっそりとした中にそのお店はあった。表の静けさとはうらはらに、昼下がりの店内にはわりと多くのお客様がお見えで少し安心。ランチは3種類のメニューから選べるようになっており我々がチョイスした「豆寿司御膳」以外にも、京都のおばんざいを満喫するコースなど魅力たっぷりのコースが揃っている。



坪庭を望むしゃれたカウンター席に座ると早速突き出しが運ばれてきた。かわいらしい仲居さんがひとつひとつ料理の説明をしてくれるため、こちらもなんだか緊張する。まずは鯛のお刺身から。程よい厚みでありながら歯ごたえもあり、まずまずの味わいである。すだちを散らせてからもみじおろしと醤油でいただく。


続いて山芋と株の煮物。ほっこりとした味わいに穏やかな気持ちになる。カロリーも控えめ、豆乳で煮込んであるみたいで実にヘルシー。筆者のメタボボディにも優しい一品。味噌だれの味わいがややキツイような気もするがまぁ満足。このへんは好みもあるだろう。

おいしいお茶をいただきながらしばし正面に見える坪庭に目を馳せる。引き戸は開いていて、外の風が心地よく頬をなでる。実にいい季節である。ほどなくお待ちかねのメインメニュー「豆すし」が運ばれてきた。仲居さんがおひつを前においてくださり、おもむろに蓋を開ける。目の前に広がる宝石のようにキレイな豆寿司。この演出がなかなかイカスなぁ。


再び丁寧に食材の説明をいただいた(覚えている食材を書いておいたので写真をご覧ください)説明が終わるとさっそく妻とどれから食べるかで悩む。なんだか食べるのがもったいないようなそんなたたずまいの豆寿司であるが、見るのも楽しみ、そして食べるのもまた楽しみである。 どの食材も厳選された材料を使用しており充分に満足のいくできばえであった。中でもサーモンの赤を柿に見立てて、昆布でへたを細工して作られた豆寿司には板前の粋な遊び心を感じる。


ランチに来ていることを一瞬忘れるほどの贅沢なひと時。女将さんや仲居さんの細やかな心遣いに感謝して店を出た。


店を出た後、祇園の町を散策しそのまま清水寺へ。二年坂~産寧坂(さんねんざかと読むらしい)をみやげ物屋を覗きながら歩く。祇園~清水寺~建仁寺(八坂の塔)までは2-3キロ圏内でありがんばればどうにか歩けるくらいの距離である。目を楽しませてくれる旧跡やお店を眺めながらの1時間はあっという間であった。




二年坂を登りながらふと振り返ると建仁寺 八坂の塔が正面に見えた。どこかで昔見たような懐かしい景色。思い出を甦らせる不思議な町である。
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汁る碗 豆寅
TEL / 075-532-3955
住所 /京都府京都市東山区祇園町南側570-127
総座席数 / 60席
予算/昼:2,000円/夜:6,000円
ランチ/ 有
営業時間/昼:11時半~14時 夜:17時~21時
定休日/ 無休